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Roger SchultのマスタリングEQ UF-1


今日レビューしてみたいのは、Roger SchultのマスタリングEQ UF-1についてです。とは言っても、彼のEQはエンドース契約の際に送ってきてもらったPhase Filterしか所有しておらず、この機材の音というものはelysia本社に行った折、彼が持参してくれ多少触ったという程度のものです。ちなみにデュッセルドルフは、正にこうしたハイクォリティな機材メーカーでひしめき合っており、お互いの人間関係が非常に良好なことからも、正に共存共栄を絵にしたような場所でもあります。SPL, elysia, Kii Audio, BraunerそしてRoger schult他、あまりにも優秀な機材メーカー達が集まる街でクラクラしそうです。そして皆仲が良くて、クリスマスのパーティなどを一緒にしています。

そんな豊かな環境で育まれた機材たちは、各メーカー様々な個性的で強力な哲学を詰め込んでリリースされています。SPLのPQ and Passeq、elysiaのMuseqなどなど、趣向を凝らした素晴らしい機材が列挙できます。

そしてこれに負けずとも劣らないのが、Roger SchultのUF-1でしょう。MS機能がついているEQ自体が珍しいのですが、それ以上にPhaseという機能は非常に魅力的です。エンドーサーとしては、この機材についても導入を検討しており、PQやBettermakerのMastering EQとは異なる音色、加えて機能という意味ではPhaseを上手くコントロールできるというところでは導入に傾きます。ゲインステップを見る限りは、そこまでハードな音の作り込みをおこなうというより、むしろソフトな中に冴える補正という意味合いが強うそうなEQとも見て取れます。実際触ってみた感じとしては、今風の代表格であるPQとは全く違うカラーリングで、積極的にEQで音作りをするというものではありませんでした。そういう意味では、elysiaのMuseqも同じようなキャラクターではあるのですが、圧倒的に違うところとして、音色を積極的に持ち合わせているMuseqに対して、ビンテージスタイルの音色を持つUF-1故に、余り音楽に対しての過剰な影響というものを避けることも可能になります。この辺りの考え方は、良い悪いではなく、様々な機材を如何に重ね合わせて理想の音へと持ち込むのか?という議論に要約されます。ですので、過度に

『これが良い、これが悪い』

という結論に至るのではなく、

『今回はこの機材がマッチした』

という考え方のほうが正しいでしょうし、自らの可能性を広げる意味でも有用かと思います。4月にドイツに行く予定ですので、ロージャーと会って再度UF-1の音を聴けるのが楽しみです。

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