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非常にシルキーなEQ、Custom Audio Germany HDE-250を再導入。

夏のアップデートにおける機材が、更に入ってきました。以前にも一度導入し、今はアシスタントの加瀬君が使っていたお気に入りのEQ、Custom Audio Germany HDE-250をもう一台導入しました。今回はトランスフォーマーが入っていたり、Gain部分に+12dBと+8dBのスイッチが付いていたりと、盛り沢山の内容です。これ以上追加できないと言わんばかりの機能で、得意としていたM/S機能も勿論持ち合わせています。これでマスタリング用途のEQだけで既に7機種もスタジオで持ち合わせることになりましたが、それぞれに全て使い道があり、得手不得手もあったりします。そういう意味では、このHDE-250は得手不得手というものは持ち合わせておらず、全てのマスタリングやサブミックスバスのEQに用いられるのではないかと思えるくらいに器用な機材です。サウンドテイストとしては、まさに Cleamyという表現がピタリとくるような味わいで、こんなマニアックな機材が僕にとって初のマスタリグEQでした。いきなり最高峰・最高性能のEQを手にし、尚且つ物凄く使いやすかったことから、その後に入ってきた機材には結構気難しさみたいなものを感じたものです。見た目の通り、Sontecをモチーフとしたクローンで、一台持っていると必ず重宝するといったEQです。elysiaのMuseqも癖がなく、非常にHi-FiなEQで大好きですが、低音部が若干弱いところがあるのですが、HDE-250はPassive EQと変わらないくらいのパワーで持ち上げてきます。また、他には Bettermaker がクリーン・ナチュラルという意味では似た存在なのですが、音色がかなり違うので余り比べる対象にはならないかと思います。あとメインのパラメトリックEQとしては、SPL PQがあるのですが、これは効き方が全く別物過ぎて対象外といった感じです。特にSPLのスタッフと話したことがある内容ではないのですが、SPLのPQにしてもPasseqにしても、双方にメインというよりは補佐的な味付けをするためのチェインというイメージを持っています。特にPQは強烈な効き方をしますが、ではその効果自体をど真ん中の直球勝負でサウンド全体をつかさどる存在として任せるのか?と問われれば、答えはNoといった感があります。SPLはマスタリングコンソールやルーターも含めて、当スタジオの中核を成す機材群であることは間違いありませんが、それはあくまで自分好みの他の機材と組み合わせることで、その能力というものを遺憾なく発揮すると言えるかと思います。

そういう意味からするとHDE-250であれ、Museqであれこの辺りが中核をなすと言えるEQのような気がします。どういうスタイルのマスタリングをするのかにもよりますが、何か一機種を中核に成すことはどんなジャンルの楽曲をやるにも必要な考え方で、研究を重ねて自らのスタイルを確立して、機材を選定していくべきです。自分の場合はヨーロッパの音楽産業界、特にドイツで圧倒的な量で友人が多いことからも、音楽の本家本元の国とのリレーションが生まれ、国際エンドーサーやこうした機材を探し当てることもできています。クライアントもアメリカにもいますが、イギリスの方が相性が良い印象を持ち合わせており、こういうところが正に自分のスタイルとの相性とも言えるところかと思います。

これらを総合して、HDE-250の機能とサウンドの美しさは、2度も購入するほどに自分のスタイルにとって魅力的と言えると感じています。

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