top of page
検索

ピアノレコーディングマイク、Earthworks PM40

ピアノマイク Earthworks PM40

本日はピアノのホールレコーディングでした。先程スタジオに戻り、音源チェックを行っています。

今回はそのレコーディングにおいてのピアノマイクについて言及してみたいと思います。使用するマイクというよりは、ポジションが最も難しいと言えるのがピアノレコーディングで、様々なマイクポジションを用いますが、その中でも接近してのマイクというものは、以前はほぼ綺麗に録ることできない音場の一つでした。特にハンマーの打弦音やダンパーの動作音などがマイクに混入してしまい、ピアノ音源の肉質を表現できる接近音の表現には手を焼いたものです。勿論ミドルやアンビエントの音も重要なのですが、細かいフレーズということになると、特にニアフィールド(接近)での音場が重要になります。しかし散々に困らせてくれたニアフィールドのレコーディングで、救世主が現れました。それがEarthworks PM40です。写真の棒状に見えるマイクなのですが、クラシックを主体としたピアノや合わせモノのレコーディングが多い当スタジオとしては、美しく楽音の輪郭が明快に録れるソリューションとして、正にフィットした機材の一つです。

決してメインに用いるマイクではなく、あくまで全体像を捉えた時に、楽音の下支えになるようなイメージで使える音とでも表現したら良いでしょうか・・・しかしこの下支えの音が、ミドルやアンビエンスで捉える音を更に活かすこととなり、絶対に無くてはならない要素として捉えるに至っています。

以前は自分たちのプロジェクトで、理想の接近マイクを何とか実現しようとNumann KM184をピアノに入れてみたりしましたが、決して良い結果を生み出すことは出来ず、延々とDAWで接近マイクのノイズ処理をしたこともありました。または、大型のダイアフラムのマイクをピアノ内にも入れましたが、やはり独特の音の『ゴツさ』みたいなものを拾ってしまい、どうしても理想の境地へと行き着くことが出来なく研究を重ねました。

ミドルもアンビも、正直なところとしてはシークレットな部分が大多数となりますし、このPM40の用い方という意味でも、ただ置けばそれなりの音がするということもありません。そこにはしっかりとした裏付けが必要であり、更には明確な音のコンセプトが無い限りは、どんな機材を用いようが理想の音になることはありません。しかし、機材をしっかりと選ばないと、行き着きたい境地にも辿り着けないことも事実で、やっと探し当てることの出来たマイクであることに違いはありません。

今日のクライアントからの要望も、世界の超一流の音源を片っ端からリファレンスとして示され、それをどういう形で超えていくのか・・・という課題が渡されていました。毎回こういうリクエストの多い現場ですし、実際世界の超一流を担当してもやることは一緒です。常に最上を目指し、最高峰の場で更に上を目指す。。。ただけれだけです。

今日もPM40は厳しい現場で最高の仕事をしてくれました。

閲覧数:7回0件のコメント
bottom of page