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IGS Auidio NE573

IGS Audioが、また魅力的な製品を出してきました。何とも悩ましいサウンドのする、NEVE1073にインスパイアされたマイクプリアンプNE573のご紹介です。当社の業務は基本的に音楽プロダクションがメインであることから、輸入代理店の仕事は実際に自分たちで使ってみて惚れ込めたものをご紹介しています。IGSの場合は、これまで多くの機材を使い込んできていますが、主観論ではありますが殆ど外れということはない状況です。主にこのメーカーのコンセプトとして感じるのが、リッチで濃厚、そして奥深いサウンドというものを毎機材ごとに共有されていると思わされますが、今回のこのマイクプリアンプもこれまでと同様、かなりの味わいを感じさせてくれるものがあります。

NEVEは自分自身も好きなメーカーでありますし、以前にも書きましたが88シリーズのオリジナルNEVEのサミングミキサーから、1073のサウンドをモチーフとしたHeritage Audioのサミングミキサーまでを使ってきていますので、それなりに思い入れがあります。そうした中で、IGSから出てくるNEVEサウンドというものに対して、オリジナルというよりはむしろIGSがどのような理解で楽音をくみ上げてくるのかに大きな関心を寄せていました。今回使用したテストマイクは、Brauner Phantheraです。僕はこのエッジの効いたクリアトーンが大好きで、これはBrauner本社に行った折に社長のダークさんから、『最近ピーター・ガブリエルが15本のPhantheraを自分のライブ用に買ったんだ。興味あるだろう?自分でも使ってみたら?』という話から始まり、あれよあれよと本数が増えていき、今では何本あっても困らないと思える必須アイテムになっています。そんなBrauner PhantheraとIGS NE573という何とも今風かつ、濃い味付けの機材は否応なしに期待感が膨らみます。

実際にならしてみたサウンドテイストは、ズバリ大好きでした。タイミング次第で、NE573をスタジオに8台纏めて入れたいと思えるほどリッチなサウンドです。NEVEのパリっとした感じを踏襲しつつも、IGSらしい濃密でリッチなサウンドは健在という感じで、オリジナル+@の現代にフィットしたテイストとして重宝すること間違いありません。更に意外とプラス要因として捉えられたのが、出力のGain調整ができることからも、トランスフォーマーを介してどの程度のサウンドを作り込むのかを調整でき、単に出力調整という以上の機能を持っていると感じました。

見た目が何ともメカニカルでミリタリー感溢れるIGS Audioですが、オールドスクールの中に独特な哲学を感じることができ、ポーランドが育んだ先進性をも感じさせる逸品です。

因みに先日社長のイゴールさんと電話で話した折には、寒くも美しいポーランドを感じさせる街並みを背景に、これからの展開などを聴くことができました。やはり音楽の本場(ポーランドだと、ショパンが有名でしょうか)から感じられる哲学というのは、クラシック音楽から長い歴史を経て育まれた背景があり、その背景を自らに落とし込んでいく奥深い理解力というものが構築されていることを感じることが多々あります。国際空港の名前さえも、ショパン空港というくらいですから、こうした歴史ある1073を背景に、更に独自の色合いをブレンドさせることにも長けていることを感じさせてくれる機材です。

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