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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

RME Digiface Dante導入

相変わらずの機材導入が続きます。

こちらの体制がある程度整ってきたところで、更に世界は新たな方向性を示してくるので、それを追いかける形をとることもあります。そして今回の導入は、RME Digiface Dateです。MADIは何にも使える万能ナイフのような存在で、あれ無しではレコーディングを語ることが出来ないほどに素晴らしいものです。たった一本のケーブルで、2kmまでの遠隔レコーディングを可能にするシステムは、それに変わる物というは存在しないでしょう。エラーが全く発生せず、加えてケーブルがかなり粗く扱われても信号伝送は維持されます(以前のレコーディングで、ケーブルが重いドアに挟まれて直角に折れている状態を見て血の気が引きました。しかし、そのままレコーディング可能な信号伝送の状況は続きました)。

そんなMADIに対抗馬として出てきたのがDanteです。IPアドレスを用い、複数の機材に対してプロトコル化を果たすことで、ルーターを用いることができるのでMADIよりも更に広範囲な守備範囲を感じる一面があります。しかし、IPアドレスという性質上、非常に複雑に信号系統が入り組んだ時には、かなり厄介なことになるのではないかと導入時より想定していました。実際にAudinateが販売しているDante Virtual Soundcardを使用してみましたが、中々接続までに時間がかかったことと、レーテンシーの面では外部機材がないと最小化出来ない事もわかり、プロの現場ではフィジカルのサウンドカードが必要である旨を垣間見ました。

加えて、コアキシャルでのMADIインターフェイスというものも持ち合わせがなかったので、MADIオプティカルにはMarian MADI PCIeカード、RME ADAT PCIeカード、そしてMADIコアキシャルとDanteには今回のDigiface Danteという組み合わせでレコーディング業務を進めていきたいと思います。これだけ数があると、どれがどういうタイミングで調子を崩したとしても必ずバックアップがあるという安心感と、求めるサウンドにより使い分けるという選択肢を得ることも出来ます。恐らくこの中で最高性能なのはMarianで、384kHzまで対応する能力と共に、PCIeの利点である40Gまでの速度を考えると、192kHzでもオーバーダビングができる性能は間違いなくダントツでしょう。しかし、サウンドということになると、広大な面積というものを感じることは出来ますが、色気は全くありません。そういう意味では、RMEのインターフェイスとどう組み合わせていくかという楽しみもあります。

また、今回のDigiface Danteは、間違いなくライブレコーディングで最高の性能を発揮すると予測しています。その上MADIとの互換性を持ち合わせていることから、バックアップと安定性というところからも大きな魅力を感じています。

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