elysiaのalpha compressor といったらKing of compressor という表現は誰もが頷くかと思います。そしてもう一つの勢力がSPL IRON・・・それにShadow Hills辺りでしょうか。それなりの規模のある海外のマスタリングスタジオであれば、全部またはこの2つが凡そ採用されているケースが多いように思えます。インディーメーカーを足せば勿論もっと世界は広がるのですが、そちらの世界は余りにディープすぎて、今は触れないでおこうと思います。この写真に写っている Custom Audio Germanyもその一派ですし、最近では Vacuvox、Fairmanというのもあるかな・・・ヨーロッパのスタジオで企画していたり、それはもうあまりにディープすぎるのですが、メジャーメーカーに少し飽きてきた方にはぴったりです。ちなみに音は一級品のインディーメーカーですが、個性が強烈過ぎて扱うのが大変です。まさに番人向きでないインディーですが、一度その世界に足を踏み入れたら抜けることが出来ないほどに強烈な個性を持っています。因みにお値段はメジャーメーカーよりも遥かに高額というケースが多く、モデファイもワンオフものでガンガン作ってくれます。
一方メジャーメーカーというのは、余り挑戦をしない番人向きというところがあるのですが、エンドーサーという立場を得ると自由度が全く異なります。CEOに対してガンガン意見を言って、特殊な機材をやりたい放題に作ってもらうことも可能です。また、基本的にはエンドーサーに渡される機材は一般流通しているものとは異なり、挑戦的なパーツが用いられていたり、味付けの濃いケースが殆どで、このモデファイバージョンを手に入れたいという方からのアクセスも結構あったりします。
それは相思相愛の関係であるelysiaも例外ではなく、以前alpha compressorを依頼した折にはEQゲインを強めてくれたり、Qカーブのモデファイが用いられていたかと思います。そして先月4月の終わりに本社を訪ねた折に、ルーベンCEOに
『Master GainをMpressorみたいに強烈にできるかな?』
と意見してみました。マスタリング用であるからこそ、各セクションのGainやQはジェントルという考え方はすでに古いと僕は感じています。現代の最先端の現場では、マスタリングを行わないなどあり得ないといった音質のマスタリングが求められ、そのマスタリングを邪魔しないためのミキシングが行われています。そういう意味で言うと、今のalpha compressorは一つの回答ではあるのですが、僕の仕事にマッチしたalpha compressorの姿というものもあるかと考えています。以前まではメーカー側から提案されるモデファイを受け入れる形でしたが、今回は積極的に自分の方からの提案でモデファイを施してもらいます。以前到着したBettermaker502vも、僕がエンドーサー契約前にイギリスから購入した機材とは偉く音が異なり、愕然とした記憶があります。
ただこのモデファイですが、良し悪しありましてそれを気に入ればよいですが、気に入らない場合はただの使い難い機材でしかなくなってしまうというケースもあります。今のところ受け取っているモデファイバージョンはどれもお気に入りですが、特にSPL PQなど強烈過ぎて使いこなせるまでに1年を要しました。今ではマスターEQとしてなくてはならない最終のEQだと思っていますが、以前は何だか理解しがたいドエライものを手にしてしまった感がありました。
alpha compressorの到着は、7~8月になるかと思うのですが、今から楽しみで仕方ありません。どうなるのかなぁ・・・と日々妄想を膨らませています。
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