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執筆者の写真Furuya Hirotoshi

世界最先端のスタジオ環境とは?

マスタリング機材

世界の最先端を行くスタジオ事情と言っても、どれほどの規模で考えれば良いのかという疑問が生まれそうですが、この場では最大級の規模で考えていきたいと思います。世界と言っても、実際のところは極一部の中でのワールドワイドというケースも多いので、今回はアビーロードからスターリング、メトロポリスまでを含めて考えてみたいと思います。今名前の出た3つのスタジオは、特に日本で名前が出ることが多く、エンドースを受ける世界的メーカーたちはアビーロードを最高峰として捉えることが多く、その他は余り話題に出ることがありません。というのも、実際のところ世界市場を抑えようとしたときには、ヨーロッパでそれなりの地位を獲得できれば、アメリカ側は自動的に評価がついてくるところがあり、やはり自分にとってはドイツのSPL社から得られたエンドーサーという地位がアメリカに飛び火し、様々に交渉が行われるようになりましたし、他メーカーも自分に興味を持ってくれ、共にプロモーションを行うようになりました。そして、そのプロモーションからクライアントが付いてくれ、更に世界が広がっていったという経緯があります。アビーロードはイギリスですが、それはやはりビートルズからの流れを汲むところが大きく、現在に至っているような気がします。実際に世界のトレンドを根底から作っているのは何処か?と考える時、メーカーとの結束が強い自分からすれば、それはヨーロッパメーカー主導のもとに行なわれていると感じることは多々ありますし、実際彼らの作ったものにエンジニアが自分の感性をブレンドしていく傾向があり、『こういう傾向』という方向性を機材やメーカーが持ち合わせていたとしても、そこから更に進化したものが出てくれば、興味を持つエンジニアたちが音楽市場にその音を持ち込み、トレンドと呼ばれるものが形成されるわけです。 そして、これまでにも述べてきていますが、その中心地となるのはまさしくドイツのデュッセルドルフであり、先進の考え方を持つメーカーが複数良い関係性を築きながら共存し、より良い音を作り上げています。アメリカが大きな市場を持つが故に、アメリカを中心としたスタジオが先進のように思われがちですが、アビーロード含め考え方はむしろ保守的な感があり、先進性よりも伝統を重んじるという感覚を覚えます。 想像しにくいかもしれませんが、実は最先端はドイツでありオーストリアであると感じています。実際にスタジオに行き聴かされる音は、全く景色の違うものが多いですし、機材メーカーも作ってくる音そのものは、『音色を変える』というよりは『音楽の中に存在する、景色を変える』という方向性へスイッチしています。実際にSPLやelysiaのプロダクトマネージャーから聞かされる言葉としては、View や Servey という単語が用いられることが多く、音の成り立ちを根本から変えることにポイントを置くようになってきていると思います。 現在日本ではこうした情報を聞くことも見ることもありませんが、5年以上経てば恐らくは多少の認識は出てくるのかもしれません。しかし、こうした最先端と言われる音作りにおいて、日本で見える音、聴く音というのは方向感が全く異なり別物という状況である以上、認識を根底から変えない限りは『音の景色に変化を与える』という概念はそう簡単には理解されないことと思っています。 ここ最近も、SPLのサーシャやelysiaのドミニク、Kii Audioのクリス、Bettermakerのマレクなどの各CEOたちと機材の構成においてやり取りを行っていますが、彼らの考えていることは確実に次世代であると共に、これまでの音の価値を根底から覆そうとしています。 世界の最先端は、恐らくこのメーカーたちの息のかかったところ、中央ヨーロッパが中心となっているはずです。実際アメリカからの外注が多く行われるのもこの地域で、ヨーロッパがアメリカに外注を出すというのは考えにくい現象で、これらを総合すると自ずと答えが見えてくるかと思います。

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