本日は、ルーム内の響きをコントロールする、ルームチューニングでした。響きというものは、音楽の性質上必要な要素ではありますが、必要以上に響く事で原音が聞こえないほどの「音の洪水」が発生することが有ります。それは、大きなホールであれ、個人宅に設置されているピアノ室によるものであれ、不適切な音の反射により発生するものは、全て不快な音として捉えることが出来ます。特にスタジオの場合は、響きはどちらかというと抑える方向性のものであり、響きそのものは人工的な形でも増やすことは出来ても、差し引くことが出来ないという性質を持ち合わせているために、極力カットの方向性で考えることになります。 勿論当方のスタジオでも、リフレクションによるスタジオ内で発生する音の変化、若しくはそれに起因する判断ミスを防ぐ意味でも、吸音パネルは多めに導入されています。当スタジオの場合は、アビーロードスタジオの機材コンサルティングを行う、Tomからアドバイスを貰い、実際にロンドンでトレーニングを受け、リフレクションの捉え方を考えてきました。国内で行われるルームチューニングは、その実態としてはほとんど音楽のことを無視し、兎に角響きをなくせの一変通りの部分があり、全体像を見渡した音作り、環境づくりが行なわれていないことが大半です。 やはり音楽を制作、若しくは奏でるのであれば、またルームチューニングという言葉を使うのであれば、より音楽的な響きを重視しながらも、各パートの音楽がより立体的に聴こえてくる部屋を目指したいものです。 今日のお部屋は、白に統一された美しい見た目とともに、音楽を演奏するために最適化されたルームにチューニングできました。ピアノやバイオリンといった、アコースティック楽器を奏でるにあたり、最も美しい音のポイントを探し当て、吸音材を適切に配置。素晴らしい仕上がりに、私たちも嬉しくなりました。
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