昨年の12月に行われたレコーディングから、写真を一枚。とても素敵なホールでの一コマですが、クライアントとは最も相応しいホールの響き・マイク・マイクプリアンプ・AD/DAコンバーター・DAW、そして最も重要な「どのタイプのスタインウェイピアノを使うか?」という内容を、練りに練ってのレコーディングとなりました。 ホールから仮スタジオを設けた控室までは、MADIケーブルで音声を送信しましたが、音の素晴らしさと容易に数10チャンネルを伝送できるシステムとしては、今現在最も完成されたレコーディング・ソリューションであると感じています。マイクはEarthworks・Peluso・Numannを使用して、ホールのアンビエンスから来る「響き」を重視しながら、各マイクの位置ならではなのダイナミックで繊細な音を、しかもそれぞれで個性的なサウンドを捉えられるように努力しました。 また何と言っても隠し味は、コンソールを持ち込んでいることです。マイクプリアンプからAD/DAコンバーターは劣化云々ということではなく、音楽的な響きを捉えられないので僕の場合は基本的には行いたくない設定です。 クライアントからはレコーディングの段階で、ミキシング・マスタリングを行なわなくても最終型が見えるRECが出来たとのことで、非常に好評をいただきました。様々に加工を施して最終型へ持ち込むのがレコーディング芸術なのかもしれませんが、先ずは目先の「素材」がダメでは、その後に構築される各工程も今ひとつの結果となりえます。 長いプロジェクトなので、今後も様々なホールで収録する機会があるかと思うと、非常に楽しみです。
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