
レコーディングがこれから続きます。僕が最も得意としているレコーディングは、やはりピアノなのですが、そのレコーディングにおいて重要なポイントとなるのが、このEarthworks PM40です。グランドピアノのみに使用可能という、利用範囲は非常に狭いのですが、グランド専用にマイクが企画・製造されるということは、それほどピアノという楽器の扱いが難しいのかと思います。実際に、このマイクを探し当てるまでに、ピアノの音に含まれる『輪郭』を上手く出すことは出来なく、また、ハイレゾ仕様のマイクプリアンプと組み合わせることで、新しい世代の音をレコーディングできる環境を手に入れることが出来ました。 特にレコーディングでスタンダードとされる黄金期のスタインウェイは、細くも鋭い倍音構成を持ち合わせているために、その倍音をピンポイントで狙って収録するには、このマイクでないとほぼ不可能とも言えるほどです。 これは、自分自身が長くスタインウェイを扱ってきた経験から来るもので、拘り抜いたレコーディングを好む方々は、スタンウェイのディテイルそのものをパッキングしようとしますので、所謂ピアノの収録を行えば良いというものでもありません。その上で、どういった方向性でミキシング・マスタリングしていくかが重要となり、それぞれに同じベクトルで音を作り上げていくこととなります。この途方もない多くの選択肢と材料から、最も適している手法を探し出し、音楽市場へ作品が発表されていきます。これらの工程の中で、最も重要な第一段階であるレコーディングにおいて、PM40がもたらすソリューションというものは、何にも勝る素晴らしいものでした。
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